複雑化・高度化する中等教育への対応(主体的・対話的で深い学び)
- 4月3日
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更新日:5月19日

中学校・高等学校の教育内容が変わってきていますが、学校はその変化に対応できているのでしょうか。中等教育の変化を俯瞰したうえで、学校の対応、とりわけ教員の業務負荷にどのような影響をもたらしているのかを考察します。今回は「主体的・対話的で深い学び」を核とした授業スタイルの変革を取り上げ、文科省の狙いと現場での取り組みのギャップを考えます。
■主体的・対話的で深い学び
文科省は「生涯にわたって能動的に学び続け、社会で生き抜く力を身につける」ことを目的に、「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた授業展開を推進しています。従来の知識偏重型から問題解決型の授業への転換は、VUCAといわれる不確実性が高い時代の教育としてごく自然な成り行きといえます。
「主体的・対話的で深い学び」を核とする新学習指導要領が発表されて5年以上が経過しましたが、実践できている学校はどの程度あるでしょうか。
「主体的・対話的で深い学び」の授業をどう組み込むかの年間授業計画を立て、そのための授業準備をしつつ、アクティブラーニングのスキルを学ぶ、というのは教員にとって相当の負荷です。「主体的・対話的で深い学び」の目的も主旨も十分理解できるが、実践は道半ばという学校が大半ではないでしょうか。
■観点別評価
文科省は「主体的・対話的で深い学び」の導入と同時に、従来の4観点別評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点に集約・整理して、指導と評価の一体化を図りました。
定期考査だけでなく、普段の学習に対する取り組みも成績に反映させて、生徒の学習意欲を引き出すことを狙う評価方法へ転換したのです。
新しい観点別評価は、主体性の育成や個々の強みの評価という多様性を尊重する点では画期的でしたが、その一方で客観的な評価基準の設定など公平性の担保という課題を投げかけました。
観点別評価は評定に反映されるため、保護者への説明責任も発生します。そこで、学校では小テストや課題の提出状況や出来栄えを1人ひとりシートに記録・点数化して成績処理をするという作業が発生し、結果的に教員に業務負荷をかけています。
■理想と現実のはざま
生徒に「生きる力」を身に着けさせるために、チョーク&トーク型の授業を変革する方向性は正しいと思います。そのときに、それぞれの学校でこの授業変革をどうデザインし、業務にどう落とし込むかを考えることが重要です。
ここでのデザインとは、企画や作戦を指します。「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、全体をいくつのフェーズに分け、予想される障害に対応する組織態勢をどう組むか、そして教員の業務負荷をどう調整するかを考えるプロセスです。
理想(やりたいこと)と現実(できること)を結びつけるには、学校としてのデザイン力と組織力が必要になります。複雑化・高度化する中等教育に対応するには、従来の学校運営の発想では限界があります。このコラムは、こういう視点から書いていきたいと思います。



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